アトリエリクトの平賀です。

2年ほど前から言葉を聞くようになり、近頃急速に認知度が上がってきた「香害」。
人工的に作られた香料によって気分や体調を害する、ということを「香害」といいます。はじめは気分や好みの問題かと思われていましたが、研究するうちにいろいろなことがわかり、現在は「化学物質過敏症」のひとつとして認められています。シックハウス症候群もこのうちの一つです。マイクロカプセルという言葉も随分有名になりましたが、簡単に言うと香りを閉じ込めるカプセルのことで、商品の中にある時には香りがカプセルに閉じ込められていて、使った時にカプセルが割れて香りが空気中に飛ぶ。しかしそのとき一緒にカプセルの成分も飛ぶので、その物質が体質的に合わないことを「化学物質過敏症」と呼んでいます。

  
  

「香害の難しい問題とは?」

合成香料を嫌がる理由がわかり、気をつけようという人が増えてきましたが、まだ、近所からの洗濯物のに臭いに悩まされたり、電車の中で香りに襲われたりすることがあります。過度な香りはよくないと知っていても、です。なぜでしょう?
それは、自分で香りを発していることに気づけないから。嗅覚は香りに慣れてしまうという特性があるからです。
  

  
たとえば家族みんなが同じ香りの柔軟剤で洗濯したものを着ているとします。(当たり前ですね・・・) すると、その香りに鼻が慣れてしまって、その香りがあることが気にならなくなってしまいます。 ですから、柔軟剤の香りの上に香水を重ねる、というすごい状況になっていることにも 本人は気づけないのです。

唯一気づけるとしたら、たとえば旅行から帰った時などでしょうか。同じ洗剤を使って旅先でも洗濯などしていたら同じ状況かもしれませんが、香りが馴染んでいるその家から長時間離れていると 「家の匂い」に気づくことができます。家に帰ると「うちの匂い」を認識してホッとできる良さもありますが、それはすぐに慣れてしまって、食事をする頃にはきっと家の匂いなど忘れて、食事の臭いに集中しているでしょう。
  
  

「香害にどう対応すればいいか?」

一番いいのは、合成香料を含んだ家庭用品を全てなくすることです。しかしそんなことは簡単ではないでしょう。いろいろな会社がこれまで競ってきた分野ですし、「いい香りの人」がなんとなく印象がいい気がする、という世間の価値観もあります。実際、いい匂い、いい香りがする人は好感度が高いようです。

対策は、まずは意識して合成香料があるものを使わないことです。洗剤、シャンプーなど、毎日使うものの香りに十分注意しましょう。少々高価ですが、天然香料しか使っていないものを使用するのがおすすめです。
なかなかないのですけどね。

  
  

「天然香料はなぜ香害にならないのか」

香り物質の構造が違うからです。実は合成香料自体が悪いのではなく、香料を香りを劣化させずにとどめておくための物質がよくないのです。合成香料は香りがシンプルですので、植物から採れる「精油」よりも親しみやすい部分もあると思います。しかしどちらにしても、香料だけでは香りは変化したり揮発していくものですから、とどめておくためには定着や安定のための物質が必要になります。マイクロカプセルというのがそれに該当しますが、それを除けば合成香料も悪者なわけではありません。(コスト面でいえば断然合成香料がお財布に優しいです)

まずは消費者のあなたが、「香りは変化して消えるもの」という認識を持つことが大事になるのかなと考えます。

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