様々なアロマの団体が増えてきた中、色々な使い方をされる方も増えている様です。
原液は危険、という団体。原液で使うのが普通、という団体。結局原液使用はいいのか悪いのか?とモヤモヤしている方もいるのではないかと思い、ちょっと私なりの視点も入りますがここで書いてみようと思います。

「そもそもアロマとは何か」

アロマテラピーに使うアロマ、正しくは「精油」といいます。精油はたくさんの植物からほんの少しだけ取れるその植物を凝縮したエッセンス。だから一言で言えばとても濃度の濃い香りの液体です。どれくらい濃いかというと、たとえばアロマでも高価なローズでは、バラの花60本でたったの1滴分といわれています。採取できる実際の植物の割合は植物によって違います。

その精油には香りがあるだけでなく、心や体のバランスをとるための良い働きをサポートしてくれるため、それを利用するのがアロマテラピーです。


「原液で使うと何が起こるの?」

そんないいものなら原液で使ったほうがすごくいいのでは?と思う方がいるかもしれませんが、とんでもない。先ほど書いた様に 精油はとても濃いものが詰まっています。ですので、単純に刺激となります。そして、肝臓にも負担がかかります。


「肝毒性とは」

中毒性肝障害、という言い方もあります。薬剤などによって肝臓がそれを代謝する際に、解毒しきれなかったり肝臓に負担がかかった状態のことを言います。取り入れた量が多いため起こる場合と、アレルギー性の場合とありますが、ここでは前者の場合を主に書いておきます。

ちょっと医療的な話になりますが、私たちの体に入ったものはほぼ肝臓を通ります。食べたものはもちろん、皮膚から入ったものもです。肝臓は解毒や合成処理などたくさんの仕事をする臓器です。精油が入ってももちろん肝臓を通り、いらないものは解毒処理されます。

肝毒性というのは、簡単に言うと 代謝の仕事をさせすぎて肝臓を酷使することで不具合を起こした状態のこと。アロマの場合で言えば精油が濃ければ濃いほど肝臓が解毒処理でガンガン働くことは想像できますよね?その処理に疲れ果ててしまった肝臓が、他の仕事がままならなくなって体へ不具合を起こします。ですので、薄めた精油を毎日どっさり使ってしまえば同じことだと思います。

肝臓が働かなくなると 肝臓の仕事・・・食べたものの栄養の合成や解毒処理、消化液の分泌にも関わったり血糖にも関わっているため、余計な病気を引き起こすことにもなりかねません。

「肝毒性の症状」

主なものをあげると、

・倦怠感(だるさ)
・皮膚のかゆみ
・食欲不振など消化器症状

です。使用を続けてこれらが思い当たれば精油のせいかもしれません。直ちに使用を中止して様子を見るか、念のため病院へ相談しましょう。肝臓に負担がかかっていれば血液検査でそれがわかります。

実はわたしは過去に原液使用する施術をしておりました。実際に濃度が濃いため体の変化も出やすくとてもすっきりした感覚は確かにありましたが、結構ぐったりすることも同時にありました。ある団体では その 皮膚の発赤や疲労感のことを好転反応とおっしゃっていますが、そういうことも一部あるかもしれませんがそれだけではないと思います。(ちなみに私は原液使用にひと工夫していたので他の同じ施術をしているサロンさんの6分の1くらいの量にしていました。今だから言いますが。それでもすごい影響でした)

誤解のないよう書いておきますが、精油の中にも肝臓の働きをサポートするものもあります。それを否定するわけではありません。肝毒性、あるいは薬剤性肝障害というのは、あくまで容量が多すぎたことで負担になった、あるいは体質的に合わなかった、という結果です。「いい」ということを過剰にしないという、基本的な感覚があなたを守ります。


「アロマの使い方、正解は?」

皮膚へつけるのであれば、やはり推奨する濃度、精油を植物油で希釈して1〜2%をおすすめします。一般的には1%といわれていますが、部位と目的によっては2%としている団体もあります。 また、繊細な香りを楽しんで直感を鍛えるという意味でも、香りは微細なものに親しむことをお勧めしたいです。濃い香りしか感じられないようでは おそらく体のバランスが良くありません。「香りによって心身のバランスを良い方向へ導く」というアロマテラピー本来の使い方が広まって欲しいと思います。

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以上は本当に私の個人の意見ですので 正解ではありません。参考になさってくれたら幸いです。