年末年始をはさんでぐっと増えてしまったCOVID-19 感染者(検査陽性者)。実はここまでになる直前まで、とある保健所でコロナ対応に関わっておりました。その頃でさえ、ベッドの不足やホテル調整が困難だったのに、今は・・・ と想像すると現場の逼迫した様子が目に浮かびます。

私のしていた仕事は主に検査陽性だった方への聞き取り調査でした。そこでよく受けた質問や不安など思い出しながら、なにかの役に立てばと思い、今日は香りではなく、私のもうひとつの仕事の医療面のことで書いておこうと思います。

どんな症状が多かったのか

私が携わっていのは9~11月。多かったのは「高熱」「倦怠感」でした。咳やのどなどの呼吸器系の症状は少数でした。味覚異常も少数おりました。年代は20~40代の方に対しての対応が多かったです

陽性と判定されたらどうなるの?

「私どうなっちゃうんですか?」と何度か聞かれたことがあります。未知の感染症、怖かったと思います。そんなときは気持ちを受け止めたうえで、今わかっていることだけを伝えることしかできませんでしたが・・・。こんなことを伝えていました。(東京都の2020年11月時点での内容となります)

・行動
陽性判定本人は症状があればその日、なければ検査日を0日として10日間が健康観察期間にあたります。基本的には症状があれば入院、ない場合はホテル療養をすすめ、やむおえない場合は自宅療養、という流れです。
症状がなくても自宅ではなくホテルなどをすすめる理由は、まずは同居者がいる場合家族感染となるリスクがあること。そしてその時点で症状がなくても急に症状が出ることもある(これまでの感染症の経過に当てはまらないので予測が難しい)ためです。たとえば入院を断ったその夜に急変しても受け入れ先が困難で悪化する、ということが考えられます。
自宅療養の場合はその期間は家から出ない。買い物は宅配などをおすすめしていました。宅配や誰かに買ってもらう、ということをするときは対面しないように、たとえば玄関前に持ってきてもらいドア越しに会話をする。買ったものはドアの外においてもらいその人が帰ったあとに引き受ける、という行動になります。

・気をつけること
健康観察期間は毎日体温を測ります。そして、気になる症状があったときにはまず、自宅療養中や待機中の場合は、保健所から説明を受けた窓口へ相談をします。というのが一般的です。同居者がいる場合は接触を控え、共有部分は念入りに消毒して家庭内感染を防ぎます。

濃厚接触者とは

感染者からの行動の情報から、上記の0日からさかのぼって2日前以降に接触した人が対象となります。マスクをせず1m以内の距離で15分以上 というのが目安です。同居の場合もほぼ該当します。
濃厚接触者となるとまずはPCR検査をしていただき、結果が陰性であっても14日間の健康観察期間を自宅で過ごしていただきます。

みんなで気をつけること

マスク、手洗い は基本です。しかし、マスクを「ちゃんと」できていない人が多いように感じています。

・マスクは正しくつける
私が見かけるよくない(意味のない)マスク着用は「鼻出しマスク」と「話すときにはずす」使用方法です。そもそも何のためにしているのか?
その人から出る呼気に含まれるウイルスをばら撒かないように、です。
息は鼻からも出ます。話すときも息をしますし飛まつも飛びます。話をするときにこそマスクを着用なのです。布やウレタンマスクはないよりもましな程度です。人と接近する必要がある場合は不織布マスクを使用するのをおすすめします。どうしてもかわいいマスクがしたい!という場合は不織布の上からかぶせて使ってみてはいかがでしょう。

・手洗い
手洗いは手のひらだけでは不十分です。手のひら、手の甲、爪の間、指の間、手首。洗い残しやすい部分は親指の特に甲の面、と付け根です。石鹸と流水で15秒以上かけてもみ洗い。実際時間を計ったことがありますが、20秒かかりました。手はペーパータオルなどの使いまわさないものでふき取ります。手あればそこから菌が入ったりするのでスキンケアも気をつけましょう

・うがい
うがい薬でしたくなると思いますが、あまり薬で菌を殺してしまうと悪くない菌までいなくなりかえって防御機能が衰える危険があります。
水、あるいは塩水がおすすめです。

・買い物
もし陽性者から買い物を頼まれたときには協力をしてあげましょう。接触しなければ大丈夫です。玄関先で顔も見ずに悪いな・・・とは思わないでください。期間限定のことです。解除後まで我慢しましょう
自分の買い物は購入後家に入れる前に拭いたり洗ったりしたほうが安心と思います。

・食事
複数人での食事はなるべく避けて個別に食べるのが望ましいです。避けられないときは距離をとり、向かい合わせにならない席で会話せずに食べます。口に入れたらマスクをする、というのが感染症が蔓延している今の社会ではマナーです。実際、おいしく食べられないのですがしかたありません。

・アルコールを使えないとき
アレルギーなどの理由でそういった場合、まず考えられるのは手袋の着用です。手袋がなければなにか隔てるものが一枚あれば安心です。

・除菌グッズはウイルスには効かないかもしれない
除菌効果!という言葉につい惹かれてしまいますが菌とウイルスは別物です。効果がある場合もありますがない場合もあります。除菌したから大丈夫、というわけではないことを知っておいて下さい。

換気
換気は定期的にします。寒くても、2段階で工夫して行ってください
サーキュレーターを回すだけでは意味がありませんしかえって悪い。2箇所以上窓を開けて空気の流れをつくって出すのが目的です

・なによりも免疫をつけて予防をする
ウイルスを避けることも大事ですが、遷るときには遷ってしまうのが感染。感染をしたからといって発症するかはまた別のステップ。感染しても自分の力でブロックできれば自分の健康は保てます。予防と同じくらいの気持ちで免疫をつけるような意識を持ちましょう。
健康の基本は食事と運動と睡眠。在宅が増えてストレスが溜まりがちですがストレスも免疫力を下げてしまいます。窓を開けて空気を吸ったりベランダがある人は活用して心もからだもストレスのコントロールができるように工夫をしてみるといいと思います。

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今日は思い切り医療面のお話でした。
ストレス家にぜひ自然の香りを利用してみてください。