ユルリの香り~夏~

  
  

わたしの生まれた街、北海道・根室。その細い半島の太平洋側に、「ユルリ島」という無人島がある。
人が渡ることのできない、とても近いけれど遠い島。不思議な名前の響きは、アイヌ語で「鵜の島」という言葉がちょっと変化したものらしい。
昔は人が住んでいて、生活のための昆布漁に必要な馬も一緒に生活していたのだが時代とともに生活が変わり、馬だけが残された。
「馬の楽園」とも言われている。

(ユルリ島のヒストリーは岡田敦さんがこちらで素敵にまとめられています。 >>岡田敦 website ユルリ島
 

根室はどこか日本らしくない。自然のある風景はもちろん、人の気配がある景色も北ヨーロッパの匂いがする。
自然が多いが観光地というわけではない。自然はバカンスのために存在するのではなく、
生活の隣にあり、場合によっては野生の厳しい顔も見せてくる。
凜とした静かな空気に正されるような感覚。生きるという言葉がリアルに入ってくる。

東京へ来てから根室の素晴らしさを改めて感じ、帰省するたびに写真を撮り、という日が続く中、ここ数年なんとなく東京でも「根室」の文字を目にすることも増えた。

そんな中、根室の写真を撮られている岡田氏を知る。見慣れた風景が、自分の記憶のフィルターを通した景色のままにある。
とても印象に残った。
 


 

ユルリの香りを創るきっかけとなったのは2020年10月20日。私は自分の誕生日となるその日をどこで過ごそうかあれこれ考えていた。
いつもなら旅行へ行くのだがちょうどコロナ禍で遠くへ行けない。
「そうだ、根室を感じられるここへ行こう」と
ちょうど岡田氏の写真展を開催中のギャラリーへ行くことにしたのだ。

迎えたその朝、急に「そうだ、香りを持って行こう。」と思いつき、自分のために調香してきた「根室の香り」を会場へ持参しお礼を言って手渡した。
改めて考えるととても図々しいにもほどがある行為なのだが、予想外の反応が返ってきた。

「ちょうど、香りを使う何かがあればいいよねと考えていたんですよ」

そんな偶然あるだろうか。最上級の誕生日プレゼントだった。
    

 
根室の香りとは?
それは私が子供の頃から馴染んでいた、
青く甘く湿度のある少し冷たさを含んだ優しい匂い。
季節ごとにその割合が変わり、緑の深さが変わる。

ユルリ島へはもちろん行ったことがない。これは、岡田氏にイメージを伺い何度もサンプルをやりとりしてつくらせていただいた。
最終的には、この幻の島「ユルリを考える会」の方々にも試してもらい微調整をした。

島の象徴とも言えるアイヌミヤコザサ、そして霧。
そこにわたしのイメージを重ねて調香したミストを
小さな馬のストーンとセットで販売いたします。

 


  

アロマミスト(笹のかけら入り) 10ml
アロマストーン 1
*笹は根室市内から採取したものを使っています

(精油:プチグレン、ヘイ、エルダーフラワー、オークモス
グリセリン、エタノール、イオン水)

1650 円 (税込)
  
  
  

  
  

ぜひこちらの岡田さんの映像作品と合わせて香りを感じてください
(香りとのフィッティングには最後の動画をおすすめします)

*人体へ向けてのスプレーは控えてください
*天然香料のみを使用しています。防腐剤は入っていないので涼しい場所で保管し半年以内に使い切ってください
*使用しなくても揮発で量が減る場合がございます

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写真家・岡田敦によるユルリ島の紹介
http://okadaatsushi.com/yururi_island_flower.html

根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会
http://yururi.main.jp/

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https://lykt.stores.jp/